スクワットを始めたものの、数日で膝の前側がズキッとしてやめてしまった。そんな経験を持つ方は意外と多いようです。原因の多くは「回数が足りない」ではなく、しゃがみ方の小さなズレにあります。
厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、成人・高齢者ともに筋力トレーニングを週2〜3日行うことが推奨されています。器具なしで下半身の大きな筋肉をまとめて動かせるスクワットは、この目安を自宅で満たすのにぴったりの種目です。寒くなって外に出るのがおっくうな10〜12月こそ、室内で続けやすい習慣として取り入れたいところです。
この記事でわかること
- 膝を痛めにくいスクワットの正しいフォームと5つのチェックポイント
- 初心者・経験者別の回数とセット数の目安
- 膝が痛くなる3大原因と、その場でできる修正方法
- ワイド・ブルガリアン・椅子スクワットなど種類別の使い分け
- 今日から始められる30日メニューと、あると便利なグッズ
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スクワットの正しいやり方|まず覚えたい基本フォーム
基本の「ノーマルスクワット」は、次の順番で動きます。最初の1週間は回数よりも、この流れを丁寧になぞることを優先してください。
- 足幅は肩幅程度、つま先は10〜30度ほど外に向けます
- 胸を軽く張り、両腕は前に伸ばすか胸の前で組みます
- お尻を後ろに引くように、股関節から折りたたんでいきます
- 太ももが床と平行になる手前(膝の角度が約90度)まで下ろします
- かかとで床を押すイメージで、2秒かけて立ち上がります
下ろすときに2〜3秒、上げるときに1〜2秒。1回あたり約4秒のテンポを守ると、反動に頼らず筋肉にじっくり負荷がかかります。
フォームを確認する5つのチェックポイント
| チェック項目 | OKの状態 | よくあるNG |
|---|---|---|
| 膝の向き | つま先と同じ方向 | 膝が内側に入る(ニーイン) |
| 重心 | 足裏全体〜かかと寄り | つま先に乗ってかかとが浮く |
| 背中 | まっすぐ、やや前傾 | 丸まる・反りすぎる |
| しゃがむ深さ | 太もも平行の手前 | 浅すぎる or 腰が丸まるまで深く |
| 呼吸 | 下ろしながら吸い、上げながら吐く | 息を止めて力む |
スマートフォンを横に置いて真横から動画を撮ると、背中の丸まりやかかとの浮きが一目でわかります。実際に撮ってみると、自分では深くしゃがんでいるつもりでも、膝の角度が120度ほどで止まっていたという方は少なくありません。鏡よりも客観的に確認でき、1回撮るだけでも修正点が見つかることが多いです。
スクワットの回数とセット数の目安

「1日何回やればいいの?」は最も多い疑問の一つです。答えはレベルと目的で変わります。目安を表にまとめました。
| レベル | 1セットの回数 | セット数 | 頻度 |
|---|---|---|---|
| 運動習慣ゼロ | 8〜10回 | 2セット | 週2〜3日 |
| 初心者(1か月目) | 12〜15回 | 3セット | 週3日 |
| 中級者 | 15〜20回 or 片脚種目 | 3〜4セット | 週3〜4日 |
| 高齢の方 | 椅子スクワット5〜10回 | 1〜2セット | 週2〜3日 |
セット間の休憩は60〜90秒が目安です。毎日やる必要はなく、筋肉の回復時間として48時間ほど空けるほうが、疲れがたまりにくく長続きします。
「100回スクワット」は必要?
SNSでは「毎日100回」のようなチャレンジもよく見かけます。ただ、フォームが崩れたまま回数を重ねると、膝や腰への負担が増えるだけになりがちです。正しいフォームで15回×3セットをこなせるようになってから、片脚種目や負荷の追加でレベルを上げていくほうが合理的と考えられます。
スクワットで膝が痛い3つの原因と修正方法

膝の痛みが出たときは、まず中止して様子を見ます。そのうえで、フォーム由来の原因を順番に疑ってみてください。痛みが数日続く、腫れがある場合は整形外科で相談するのが安心です。
原因1:膝がつま先より大きく前に出ている
お尻を引かずに膝から曲げると、体重が膝の前側に集中します。修正のコツは「椅子に座るつもりでお尻から下ろす」こと。実は、膝がつま先より多少前に出ること自体は自然な動きで、問題なのはお尻が引けていない状態のほうです。
原因2:膝が内側に入る(ニーイン)
立ち上がるときに膝が内側に倒れるクセは、膝の内側に負担をかける原因の一つです。太ももの外側に輪ゴム状のミニバンドを巻き、外へ押し広げるように動くと修正しやすくなります。
原因3:足首が硬くてかかとが浮く
足首の柔軟性が足りないと、しゃがむ途中でかかとが浮き、つま先重心になってしまいます。かかとの下に厚さ2cmほどの板や本を敷くと動きやすくなるので、並行してふくらはぎのストレッチを続けてみてください。
スクワットの種類と目的別の使い分け

ノーマルに慣れたら、種類を変えることで刺激を変えられます。目的別に選びやすいよう整理しました。
| 種類 | 主に使う部位 | 難易度 | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| 椅子スクワット | 太もも前・お尻 | ★ | 運動初心者・高齢の方 |
| ノーマル | 太もも前後・お尻 | ★★ | 全員の基本 |
| ワイドスクワット | 内もも・お尻 | ★★ | 内ももを意識したい人 |
| ブルガリアンスクワット | お尻・太もも(片脚) | ★★★★ | 中級者・左右差が気になる人 |
| ジャンプスクワット | 下半身全体+心肺 | ★★★★ | 運動強度を上げたい人(集合住宅は注意) |
椅子スクワットは「立ち上がり」を鍛える入り口
椅子の前に立ち、お尻が座面に軽く触れたら立ち上がる方法です。座面という目印があるため深さが一定になり、フォームが安定します。日常の「椅子から立つ」動作そのものなので、体力に自信がない方の最初の一歩として取り入れやすい種目です。
ブルガリアンスクワットは片脚ずつ集中
後ろ足の甲をソファや椅子に乗せ、前脚1本でしゃがみます。片脚に体重が乗るため、自重でも負荷はノーマルの約1.5〜2倍に感じる方が多いようです。バランスを崩しやすいので、最初は壁に手を添えて行うと安全です。
寒い季節でも続く30日スクワットメニュー
冬場は体が冷えて動き出しが重くなります。最初の2〜3分は足踏みや腕回しで体を温めてから始めましょう。週3日・1回10分以内で完結する30日メニューの例です。
| 期間 | 内容 | 1回の時間 |
|---|---|---|
| 1〜7日目 | 椅子スクワット10回×2セット+フォーム動画チェック | 約5分 |
| 8〜14日目 | ノーマル12回×3セット | 約7分 |
| 15〜21日目 | ノーマル15回×2セット+ワイド12回×1セット | 約8分 |
| 22〜30日目 | ノーマル15回×2セット+ブルガリアン左右8回×2セット | 約10分 |
続けるコツは「歯みがきの後」「お風呂を沸かしている間」のように既存の習慣とセットにすること。カレンダーに丸をつけるだけでも、3週目あたりで「やらないと落ち着かない」感覚が出てくる方もいるでしょう。
自宅スクワットがはかどるおすすめグッズ
スクワットは器具なしで始められますが、いくつかの道具があると安全性と続けやすさが大きく変わります。
トレーニングマット
フローリングで素足やスリッパのまま行うと足が滑りやすく、階下への振動も気になるところです。トレーニングマットは厚さ6〜10mm程度が踏ん張りやすく、価格は約2,000〜4,000円が中心です。
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6,480円 (税込)
ミニバンド(ループバンド)
膝の上に巻いて外へ押し広げると、ニーインの修正とお尻まわりへの意識づけに役立ちます。ミニバンドは強度違いの5本セットで約1,000〜2,000円と手に取りやすい価格帯です。
可変式ダンベル
自重で20回が楽になったら、胸の前でダンベルを抱える「ゴブレットスクワット」に進むと負荷を細かく調整できます。可変式ダンベルは片手2〜20kg程度のモデルで約1万〜3万円が目安です。
トレーニングシューズ
クッションが厚いランニングシューズはかかとが沈んで不安定になりがちです。トレーニングシューズのように靴底がフラットで硬めのものを選ぶと、床を押す力が逃げにくくなります。
スクワットのよくある質問
Q1. スクワットは毎日やってもいいですか?
軽い椅子スクワット程度なら毎日でも問題は起きにくいと考えられます。ただし筋肉痛が残っている日や、15回×3セット以上の負荷をかける場合は、48時間ほど空けて週2〜3日にするほうが回復しやすいです。
Q2. 朝と夜、どちらにやるのがいいですか?
続けられる時間帯が一番です。冬の朝は体が冷えて関節が動きにくいため、朝に行うなら足踏みなどで2〜3分温めてから始めましょう。就寝直前の激しい運動は寝つきに影響することがあるので、夜は寝る1〜2時間前までに終えるのがおすすめです。
Q3. 太ももが太くなりそうで不安です
自重スクワットで太ももが急に大きくなることは考えにくいとされています。見た目の変化は食事内容や体脂肪の量にも左右されるため、気になる場合は回数を維持しながらワイドスクワットなどで刺激の入る部位を変えてみてください。
Q4. 膝が「ポキッ」と鳴るのは大丈夫ですか?
痛みを伴わない関節音は、関節内の気泡がはじける音などと言われており、多くの場合は心配いらないようです。痛み・腫れ・引っかかり感がある場合は中止し、医療機関で相談してください。
Q5. 腰が痛くなるのはなぜですか?
しゃがむときに背中が丸まる、または立ち上がるときに腰を反らしすぎているケースがよく見られます。深さを浅めにして、背中をまっすぐ保てる範囲で動くところから見直しましょう。
Q6. マンションでも音や振動は大丈夫ですか?
通常のスクワットは足が床から離れないため、振動はほとんど出ません。ジャンプスクワットは響きやすいので、集合住宅では厚手マットを敷くか、ブルガリアンスクワットで強度を上げるのが現実的です。
今日の10回から、冬でも動ける下半身をつくろう
スクワットは「お尻を後ろに引く」「膝とつま先の向きをそろえる」「かかとで床を押す」の3点を守るだけで、膝への負担がぐっと減ります。回数は8〜10回×2セットからで十分です。
まずは今日、椅子の前に立って10回だけ試し、スマートフォンで横から動画を撮ってみてください。フォームが整ったら、マットやミニバンドをそろえて30日メニューに進むと、寒い季節でも無理なく習慣にできます。
